以前からネットで見かける手羽の骨格標本を,自分でも作ってみた.
一応の完成品
以下その作り方
- 手羽を用意
- 肉のついた骨を煮る
- 次亜塩素酸ナトリウムで肉を溶かす
- 残った肉を除く
- 脱脂・漂白
- 組み立て
1.手羽を用意
なんというか,普通のスーパーで買える手羽です.
自分も意識せずに「手羽先」なんて呼んでいましたが,上の写真で写っている部位は「手羽先・手羽中・手羽元」が全部揃っている状態です.つまり「手羽」です.
2.肉のついた骨を煮る
料理した手羽をおいしく頂いた後は,一つ分をネット(三角コーナー用ネットを使いました)に入れて,お鍋でグツグツ煮ます.
実際は何時間も煮たりするらしいのですが,そんなに時間がなかったので,1時間でやめてしまいました.(肉もあまり取れなかったので煮た意味があったのかどうか...)
煮るとタンパク質が変性して骨から剥がれやすくなります.古い歯ブラシなどで除肉しました.この段階で軟骨まで取るべきか迷いましたが,とりあえず残してみました.
3.次亜塩素酸ナトリウムで肉を溶かす
はじめての経験だったのでいくつか方法を試してみました.
まずはポリデント(笑)薬剤を水に入れるとシュワシュワと泡が出てミントの香りが広がります.もうそろそろいいかなぁ〜と思うまで数日かかりました.
4.残った肉を除く
数日かけてもポリデントでは軟骨を溶かしきれませんでしたので,メス等で軟骨を取り除いていきます.思っていたよりもずっと軟骨は骨としっかりくっついているため,削り取っていきました.(ここが結構手間)
ポリデントでは溶解力に不安があったので,最後のクリーニングのつもりでキッチンハイターにつけてみました.
とたんにシュワシュワ〜と骨からなんか溶け出していく.最初からこっちにしたほうが良かったかも.
まぁ,なんだかんだで骨だけになりました.このままでも結構キレイ.
5.脱脂・漂白
ここまでの工程でも十分標本に出来そうなので,後は乾燥させて骨を繋いでいけばいいのですが,やっぱり白い骨にしたいとなれば,骨に含まれる脂を抜く必要があります.
写真を撮り忘れてしまいましたが,アセトンにつけておけば脂は抜けていきます.アセトンは取り扱いのある薬局で,印鑑を持参していけば購入できます.(取扱店を探すのに一苦労するかも.「うち置いてあります」なんて宣伝している薬局はなかなかないと思いますので不審がられながらもいろいろ聞いて回るしかないです)
アセトンに一晩(浸けすぎると骨がもろくなっていくので15分程度が良いという人もいます.)も付けておけばキレイになりますしかなり白くなります.
さらに白くしたい場合には過酸化水素水(オキシドール)につけておけば良いとのことですが,自分のサンプル(手羽)ではアセトンで十分白い状態にできました.
6.組み立て
ここは一番自信がないところ.
100均などで手に入るホットボンドで繋いでいくのが手軽ですが,手羽中と手羽元の間の軟骨は,小さな骨をいくつも抱えていて,再現するのは難しいです.
ボンドをもりもりっと付けて,えいやぁと小骨をくっつけてしまうことをお勧めします(笑)
出来た骨格標本は,ホームセンターなどで手に入る木製台(ニスを塗ると雰囲気出る)や真鍮パイプなどで台を作り,表記をすれば完成です.
言い訳をさせてもらえば,初めての制作なので骨の向きに自信ありません.雰囲気だけで組んでます.もし詳しい人がいたら教えて下さい.
(煮る前にサンプルの骨の付き方をしっかり記録しておくことをお勧めします)